古い設備の配管だと使われている菅は金属菅。塩ビ管やポリ管に比べると耐用年数が短く、サビなどの劣化にも注意が必要です。 そこで、配管の素材別に特性や耐用年数をまとめてみました。さらに、配管の劣化がわかる主な事象も紹介しています。
給水排水で使われる金属管としては、鉄管・鉛菅・銅管があります。
鉄管は鋼管とも呼ばれ、耐用年数は15~20年程度。耐震性にも優れ材質の強度は十分ながら、サビによる劣化というデメリットがあるため、2021年現在ではあまり使われていないのが実状です。
鉛菅の耐用年数も同じく15~20年程度。水道普及期には活躍した材質ですが、漏水などのトラブルによって1978年以降は給水管として新たに使うことはできません。
銅管は熱に強い特性もあって給湯管に使われてきた歴史がありますが、ポリエチレン管にポジションを奪われています。
なお、ステンレス鋼管も金属菅の一種で、こちらは耐食性や耐熱性といった特性があって耐用年数は30~40年程度。導入コストが高めになるのはデメリットといえますが、長期使えることでランニングコストの削減といったメリットとの相殺効果も期待できます。
一般的には「塩ビ管」と称されるのが硬質ポリ塩化ビニル管で、VP菅とも表記されます。耐久性能に優れ、加工しやすい材質なので給水排水工事の現場作業にも好影響を及ぼします。ただし、衝撃や温度変化に弱いのが難点です。
VP菅の耐衝撃性を大きくアップさせた塩ビ管が、耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管=HIVP菅。耐熱性や激しい温度変化への耐性は高くないので、最高90℃までの給湯管としては耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管=HTVP菅が使われます。
取り上げた3種類も含めて、硬質ポリ塩化ビニル管の耐用年数は20~25年程度です。
2021年現在、給水排水用の配管として使われる材質のメインがポリエチレン管。「ポリ管」とも称され、耐震性や耐熱性に優れている上に、加工しやすさや化学物質への耐性も備えているなど、従来からの配管素材と比べても様々なメリットを持っています。
耐用年数は30~40年程度です。
参照元:ホームプロ(https://www.homepro.jp/kitchen/kitchen-cost/13228-ac)
赤水が出るということは、給水管のどこかで金属管のサビや腐食といった劣化が進んでいることが疑われます。できるだけ速やかに専門業者を呼んで現地調査してもらうといいでしょう。その結果、配管の交換が必要か、一部修理で済むのか対応方法を決めることになります。
漏水はパッキンなど消耗品類の劣化によって発生することもよくありますが、配管内の詰まりや配管自体が劣化したことで水漏れを起こすこともあります。視認可能な箇所であれば応急処置をして専門業者を呼ぶといった流れになるところ、気づかない場所で徐々に漏水が進行すると、周囲のカビや腐食による新たなトラブルにもなりかねません。
理想的には漏水する前、劣化レベルが上がった時期に早め早めに対応したいところです。
明らかに水が流れない、あるいは排水がなかなか進まないといった状況が起こると、徐々に高圧洗浄によるメンテナンスをしても、あまり間をおかず同じ事象が発生してしまいます。
そうなった場合、配管を交換するなど、日常レベルのメンテナンスよりは上のレベルでリフォームを考えるタイミングともいえます。
東京都の指定排水装置工事事業者とそうでない業者、何が違うの?
(※)2021年10月時点 施工実績数参照元:サンコウ設備公式HP(https://www.sankou-setsubi.co.jp)
2021年10月26日時点、「給排水設備 工事 東京」のGoogle検索結果のうち、マンションの給排水設備工事を実施している40社を調査。
以下の条件に当てはまった3社をピックアップしています。
1.東京都の指定給水装置工事事業者・指定排水設備工事事業者として両方登録されている(※)
2.公式HPに給排水設備工事の施工事例を掲載
3.公式HPに見積もり無料の記載
指定給水装置工事事業者は、東京都水道局公式HP(https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/shitei/ichiran.html)
指定排水装置工事事業者は、 東京都下水道局公式HP(https://www.gesui.metro.tokyo.lg.jp/living/a4/list/current/index.html)に掲載されている会社をピックアップしています。