画像引用元:東京都水道局公式HP(https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/chokketsu/hukyu.html)
古いマンションでは給水設備の交換ではなく、給水方式自体を変更するという選択肢も大いに検討したいところ。
メンテナンス費用の削減になる直結給水方式のメリットとデメリット、施工事例などを紹介するとともに、直結直圧給水方式と増圧直圧給水方式の違いもご覧ください。
直圧直結給水方式とは、貯水槽を経由せず、給水管の圧力で各部屋に水を送り込む方式です。マンションの場合、排水管と各戸を直結して、排水管の圧力で給水する場合、かつては3階までとされていました。ただし、一定レベルの圧力を保てるケースでは4階以上でも利用できるようになったのは、東京都でも直結給水方式の普及・促進を掲げているといった背景があるからです。
高層マンションのように、給水管の圧力のみだと水を押し上げることができない建物では、増圧ポンプを導入することで圧力を確保、全戸にしっかりと給水できるようにします。200戸前後の大型マンションであっても、この増圧直圧給水方式なら給水可能です。
ポンプ交換・貯水槽清掃の専門サイト「ポンプ交換.jp」に「受水槽+加圧給水ポンプによる加圧給水方式を直結給水方式に変更した事例」の工事費用が掲載されていました。
高置水槽は設置せず、受水槽のみを経由して各部屋に給水する加圧給水ポンプを交換した場合の工事費用は700,000円。4階建てながら水道圧力の調査で直結直圧給水方式の利用が可能と判明した場合、直圧直結工事の費用が500,000円~と、メンテナンス費用を除いても直圧直結給水方式に変更する方がお得だという結論に至りました。
※費用は全て税不明
参照元:ポンプ交換.jp HP(https://www.pumpkoukan.jp/pump/water_supply.html)
「横浜市管工事協同組合による試算」となりますが、水道工事会社である日本工業所の公式HPには「受水槽があり直結増圧給水へ切替をする場合」の工事費用例がマンション規模別に3パターン、記載されています。
※費用は全て税不明
これらに含まれる工事施工内容は受水槽撤去、加圧ポンプ撤去、配管改修、増圧ポンプ設置となります。
参照元:日本工業所公式HP(http://nihon-kogyosyo.co.jp/direct/cost/)
上でも紹介した「ポンプ交換.jp」の「受水槽+加圧給水ポンプによる加圧給水方式を直結給水方式に変更した事例」では、工事期間が約3日間、断水は1日で施工したと記載されています。
参照元:ポンプ交換.jp HP(https://www.pumpkoukan.jp/pump/water_supply.html)
受水槽のような水の貯留設備を経由しない分、衛生的な水道水をそのまま各戸で利用できます。
受水槽や高置水槽、ポンプを設置していたスペースを有効活用できます。
受水槽の定期的な清掃や受水槽及びポンプの保守費用などランニングコストがかかりません。
高置水槽のトラブルに伴う屋上からの漏水や落下物などのリスクがなくなります。
直結直圧給水方式なら給水管の圧力で給水できますが、増圧直結給水方式だと増圧ポンプが必要で、そのメンテナンス費用も発生します。
災害によって断水が発生した場合など、受水槽があれば貯留水を利用することができるところ、直結給水方式だと排水管が断水すると給水も止まってしまいます。
建物概要・・・東京都、マンション、4階建て・23戸
築年数・・・築38年
工事内容・・・揚水ポンプと高架水槽によって各戸に給水していたマンションを、増圧ポンプによる直結給水方式に変更したサンコウ設備の施工事例。
建物概要・・・マンション、202戸
築年数・・・記載無し
工事内容・・・東京ガスリノベーションによる給水方式変更工事の施工事例。水道管から直接給水するための工事です。
比較的古いマンションでポンプや受水槽の交換工事のタイミングを迎えると、費用対効果の面では直結給水方式への変更をしようと考える方も多いでしょう。その際、給水方式の変更には水道局による水道圧力の調査を経て、申請手続きをする必要があります。
具体的な手続きや施工金額については、施工会社に直接相談することをおすすめします。
(※)2021年10月時点 施工実績数参照元:サンコウ設備公式HP(https://www.sankou-setsubi.co.jp)
2021年10月26日時点、「給排水設備 工事 東京」のGoogle検索結果のうち、マンションの給排水設備工事を実施している40社を調査。
以下の条件に当てはまった3社をピックアップしています。
1.東京都の指定給水装置工事事業者・指定排水設備工事事業者として両方登録されている(※)
2.公式HPに給排水設備工事の施工事例を掲載
3.公式HPに見積もり無料の記載
指定給水装置工事事業者は、東京都水道局公式HP(https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/shitei/ichiran.html)
指定排水装置工事事業者は、 東京都下水道局公式HP(https://www.gesui.metro.tokyo.lg.jp/living/a4/list/current/index.html)に掲載されている会社をピックアップしています。