マンションの給水管の更新工事・更生工事では、専有部分と共有部分で工事の規模が異なります。
特に共有部分は管理組合を通じて居住者への説明を行い、承認を得なければならず、段取りも手間がかかるもの。
そうした点を踏まえて、給水管に関する更新工事と更生工事の違いや費用感などを紹介します。
給水管の更新工事とは劣化した配管を新品と交換するもの。
更新工事の方が施工後の耐用年数が長く、配管も新品に一掃されるといったメリットがあるものの、費用が高く工期も長めになるというデメリットがあります。
更生工事とはライニング工事とも呼ばれ、配管はそのままで、専用塗料を内側に流して腐食箇所や破損箇所を補修する工事を意味します。
更生工事は費用を抑えて工事を小規模にできるといった点が大きなメリット。
特に、配管工事に伴う建物の解体・復旧といった工事を少なくできます。
ただし、施工後の耐用年数は10年程度。配管の劣化が著しければ施工できませんし、安全性などの面では更新工事よりも見劣りします。
リフォーム会社紹介サイト「ホームプロ」のHP「マンションの配管リフォーム事例」によると、
※金額は全て税不明
金額は「単独工事をする場合の概算」とのこと。
専有部分・共有部分かといった詳細は明示されていないため、詳細は直接施工会社にお問い合わせください。
参照元:ホームプロHP(https://www.homepro.jp/kitchen/kitchen-cost/13228-ac#Entry33)
総合設備工事会社であるいずみテクノスの公式HP「給水管更生工事シミュレーション」を使用して算出。
50戸マンション・ファミリータイプという条件のもと、専有部分と共有部分を調べてみた結果が下記になります。
概算で7,500,000円。1戸あたりの負担は150,000円です。
※金額は全て税不明
参照元:いずみテクノス公式HP(http://www.izumitechnos.co.jp/simulation/)
概算で8,500,000円。1戸あたりの負担は単純計算で170,000円です。
なお、シミュレーションで「専有部・共用部どちらも」を選択した場合は概算14,000,000円。1戸あたりの負担は280,000円のため、給水管と排水管の構成工事は同時施工の方が費用を抑えられる可能性があります。
※金額は全て税不明
参照元:いずみテクノス公式HP(http://www.izumitechnos.co.jp/simulation/)
建物の築年数をベースにした給水管更新工事の目安時期は以下の通りです。
これらは専門業者の経験則による目安ではありますが、実際は建物及び設備のスペック、利用状況によって千差万別。参考とした上で、専門業者による定期的な調査・診断をするのが賢明です。共有部分を含む工事では断水する必要もあり、居住者全体への周知・共通理解なども必要となります。
参照元:イズミテクノス公式HP(http://www.izumitechnos.co.jp/simulation/)
本来、マンションでは給水管の管内診断などを定期的に行って、劣化状況を把握しておいて問題化する前に給水管の更新・補修工事を行うのが賢明です。放置してしまうと、蛇口から赤水や青水が出てしまうことも。健康被害など深刻なダメージに至るリスクを増大させてしまうため、こまめな点検を依頼するようにしましょう。
建物概要・・・東京都、マンション、4階建て・21戸
築年数・・・築37年
工事内容・・・共用部分の給水管と量水器廻りを更新したサンコウ設備の施工事例。既存箇所に配管できないことがわかり、露出配管としています。
建物概要・・・マンション、124戸
築年数・・・記載無し
工事内容・・・東京ガスリノベーションによるマンションの給水管更生工事施工事例です。
給水管の更新・補修工事は、作業によって断水が発生します。マンションの規模が大きくなるほど施工管理も大変なものになります。 大規模マンションであれば、従業員数が多い業者に依頼することをおすすめします。マンション規模に合わせて業者を選びましょう。
(※)2021年10月時点 施工実績数参照元:サンコウ設備公式HP(https://www.sankou-setsubi.co.jp)
2021年10月26日時点、「給排水設備 工事 東京」のGoogle検索結果のうち、マンションの給排水設備工事を実施している40社を調査。
以下の条件に当てはまった3社をピックアップしています。
1.東京都の指定給水装置工事事業者・指定排水設備工事事業者として両方登録されている(※)
2.公式HPに給排水設備工事の施工事例を掲載
3.公式HPに見積もり無料の記載
指定給水装置工事事業者は、東京都水道局公式HP(https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/shitei/ichiran.html)
指定排水装置工事事業者は、 東京都下水道局公式HP(https://www.gesui.metro.tokyo.lg.jp/living/a4/list/current/index.html)に掲載されている会社をピックアップしています。