マンションの排水管のメンテナンスとしては、更新工事と更生工事の2つの方法があります。これらの違いは何か、費用や工期の目安、そして写真付きの施工事例も紹介しています。
また、マンションの排水管工事で、各戸の専有部分のみの施工に留まらず、共有部分まで工事する場合は管理組合を通じて居住者への説明を行う必要があります。
承認を得るなど段取りも手間も、そして費用も大きくかさむことも知っておくといいでしょう。
マンション排水管の更新工事とは、劣化が見られる配管を新品と交換する工事を意味します。
更新工事は配管全体を新品にする工事なので、費用や工数はかかるものの、施工後の耐用年数が長く、排水設備全般の一括リニューアルになるという安心感があります。
更生工事とは、現在の配管に専用塗料などを流すことで劣化した箇所を補修する工事。ライニング工事とも呼ばれます。
更生工事は既存の配管を活かすという意味で、更新工事よりは低予算かつ小規模な工事となる点がメリット。配管工事に必要となる建物の解体・復旧といった工事もより小規模にできるでしょう。とはいえ、施工後の耐用年数は10年程度。配管の劣化が激しいとそもそも施工できませんし、安全面では更新工事ほどのリニューアル感は醸成されません。
住まいに関する総合情報サイト「ハピすむ」によると、給排水管両方の移設工事の場合、約400,000円が相場。配管の改修工事で、床や壁など建物の解体・復旧も行う場合だと、約700,000円が相場となっています。
※金額は全て税不明
参照元:ハピすむHP(https://hapisumu.jp/piping-a019582/)
総合設備工事会社であるいずみテクノスの公式HP「排水管更生工事シミュレーション」を利用し、、50戸マンション・階高1~7階という条件のもと、共有部分のみと専有部・共用部両方の施工を調べてみた結果が下記になります。
概算で17,500,000円。1戸あたりの負担は350,000円です。
※金額は全て税不明
参照元:いずみテクノス公式HP(http://www.izumitechnos.co.jp/simulation/)
概算で22,500,000円。1戸あたりの負担は450,000円です。
※金額は全て税不明
参照元:いずみテクノス公式HP(http://www.izumitechnos.co.jp/simulation/)
建物の築年数をベースにした給水管更新工事の目安時期は以下の通りです。
参照元:積水工業公式HP(https://www.sekisui-ind.co.jp/column/haisui/post-1653)
排水管の点検を行わないと、詰まりや排水の逆流の原因となります。
古いマンションで排水管に金属管を使っている場合、塩ビ管やポリ管の配管と違って耐用年数が短く、サビなどによる腐食や汚染も進みがち。住人にとって、排水管は給水管と違って、配管を通った後の水を目にする機会も少なく、劣化に気づきにくい傾向があります。
一方、トラブルが大きくなってからの対処だと工事の規模も大きくなってしまうので、定期的な調査の上、早めのケアという意味で排水管の更新・補修工事をしておく方が賢明です。
建物概要・・・東京都、マンション、4階建て・35戸
築年数・・・築55年
工事内容・・・排水管の漏水事故がきっかけで調査を実施、漏水箇所の排水管を更新工事したサンコウ設備の施工事例。元は鋳鉄管だったところを、更新では塩ビ管を採用しています。
建物概要・・・マンション、127戸
築年数・・・記載無し
工事内容・・・東京ガスリノベーションによるマンションの共用部排水管更生工事施工事例です。
排水管の更新・補修工事のタイミングは築年数ともある程度関係はあるものの、早期から専門業者による定期的な調査・診断を実施するのがベスト。
断水が伴う作業の場合、マンションの規模に応じて施工会社の管理範囲が変わるため、大規模マンションであれば、従業員数が多い会社に依頼することをおすすめします。
(※)2021年10月時点 施工実績数参照元:サンコウ設備公式HP(https://www.sankou-setsubi.co.jp)
2021年10月26日時点、「給排水設備 工事 東京」のGoogle検索結果のうち、マンションの給排水設備工事を実施している40社を調査。
以下の条件に当てはまった3社をピックアップしています。
1.東京都の指定給水装置工事事業者・指定排水設備工事事業者として両方登録されている(※)
2.公式HPに給排水設備工事の施工事例を掲載
3.公式HPに見積もり無料の記載
指定給水装置工事事業者は、東京都水道局公式HP(https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/shitei/ichiran.html)
指定排水装置工事事業者は、 東京都下水道局公式HP(https://www.gesui.metro.tokyo.lg.jp/living/a4/list/current/index.html)に掲載されている会社をピックアップしています。